結末には
触れません
SYNOPSIS
あらすじ
若い書生の「私」は、鎌倉で「先生」と出会う。東京に戻ってからも先生の家を訪ね、言葉を交わすようになる。
先生は「私」の訪問を受け入れる一方で、毎月の墓参りや厭世的な人間観について、理由を十分には語ろうとしない。「私」は先生に接近しつつも、知らないことの多さに気づいていく。
THREE-PART MAP
三部構成を読む地図
出来事の要約ではなく、語り手と形式の変化をつかむための地図です。
- 01
上 先生と私
若い書生だった「私」の回想的な一人称で、鎌倉での出会いと東京での往来が語られる。
読むときの問い
先生について、「私」が知っていることと推測していることを分けられるか。 - 02
中 両親と私
語り手は「私」のまま、実家での家族との時間へ移る。東京の先生とは手紙や電報でつながる。
読むときの問い
目の前の家族と、離れた先生へ向かう「私」の意識は、どこで切り替わるか。 - 03
下 先生と遺書
作品本文では、先生の長い手紙による語りへ移る。
読むときの問い
上・中で外から見えていた先生は、自分のことをどのように語るか。
READING GUIDE
読みどころ
- 01
誰が語っているか
問い
いま読んでいる出来事を、誰の知識と視点から見ているか。本文で見るサイン
上と中では「私」が先生を外側から見て、下では先生の手紙が続く。出来事だけでなく、誰が何を知っているかを見比べる。メモ
場面ごとに「語り手が知っていること」と「まだ知らないこと」を一つずつ残す。 - 02
何がまだ語られていないか
問い
問いかけへの答えが途切れたり、話題が変わったりするのはどこか。本文で見るサイン
墓参りの理由を問う会話や、言葉が途中で止まる場面に注目する。答えた内容だけでなく、答えなかった部分も読む手がかりになる。メモ
質問と返答を一組にして、返答されなかった点に印を付ける。 - 03
親しさと距離がどう変わるか
問い
会う回数が増えたあと、先生の言葉や態度はどう変わるか。本文で見るサイン
訪問や会話が重なっても、先生の態度は同じ方向に変わり続けるわけではない。呼びかけ方や、会話の切れ方を比べる。メモ
「近づいたと感じた場面」と「距離を感じた場面」を一つずつ残す。
CONTEXT
明治の終わりから大正へ
-
史実
7月30日に明治天皇が崩御し、大正へ改元された。9月13日、明治天皇の大喪の日に乃木希典が殉死した。
読むときの視点
本文後半には、明治天皇の崩御と乃木希典の死への言及がある。「明治の精神」の意味は一つに決めず、誰の言葉として語られるかを見る。
-
史実
4月から8月に東京・大阪の朝日新聞で連載され、同年9月に岩波書店から刊行された。
読むときの視点
漱石の自序によると、当初の数種の短篇をまとめる構想から、「先生の遺書」を中心とする三部構成へ方針が変わった。
BIBLIOGRAPHY
作品データ
- 作者
- 夏目漱石
- 青空文庫 作品ID
- 000773
- 表記
- 新字新仮名
- 初出
- 『朝日新聞』1914年4月〜8月
- 底本
- 『こころ』集英社文庫、1991年2月25日第1刷
- 別表記
- こゝろ
書誌事項は、青空文庫の図書カード、漱石の『心』自序、1914年に岩波書店から刊行された『こゝろ』で確認しています。
本文と資料
本文は青空文庫の公開テキストで読めます。作品データは図書カード、三部構成の成立は漱石の自序で確認できます。
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QUESTIONS
よくある質問
『こころ』のあらすじはどこまで紹介していますか。
鎌倉での「先生」と「私」の出会いと、二人の関係の入口までです。主要な出来事と第三部の具体的内容は紹介していません。
青空文庫で本文を読めますか。
はい。青空文庫の図書カードと公開テキストから読めます。
このページに結末のネタバレはありますか。
結末や主要人物の決定的な行為には触れません。ただし、作品の見取り図として三部構成と各部の題名は紹介します。