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芥川龍之介は何から読む? はじめての1作を3作品から選ぶ

芥川龍之介を初めて読むなら、迷ったときは『蜘蛛の糸』から始めてみてください。情景の移り変わりを楽しみたい人におすすめの1作です。

人の目を気にする心をユーモアとともに読みたいなら『鼻』、追いつめられた人の迷いを読みたいなら『羅生門』もおすすめです。3つの短編から、今の気分に合う1作を選んでみてください。

目に浮かぶ場面を楽しみたい → 『蜘蛛の糸』

『蜘蛛の糸』は、極楽の蓮池から始まり、視線が地獄へ移っていきます。そこで一本の蜘蛛の糸が見つかります。まずは、遠く離れた二つの場所がどうつながるのかを追ってみてください。

蓮池のふちを歩くお釈迦様と、地獄にいる犍陀多(かんだた)。離れた場所にいる二人を、語り手は順に描いていきます。風景の明るさや距離を思い浮かべながら読みたい人におすすめです。

蓮の咲く上方へ伸びる細い糸と、岩場の人物を描いたイラスト 芥川龍之介 蜘蛛の糸 芥川龍之介『蜘蛛の糸』のあらすじ、読みどころ、青空文庫の作品情報を紹介。極楽と地獄を結ぶ一本の糸を描く短い寓話をネタバレを抑えて案内します。

人の悩みをユーモアとともに読みたい → 『鼻』

『鼻』の禅智内供は、自分の鼻を気にしています。それだけでなく、自分が鼻を気にしていると周囲に知られることも気がかりです。悩んでいると悟られたくない気持ちまで細かく描くところに、この話の可笑しさがあります。

人にどう思われるかが気になったことのある人なら、内供の悩みに覚えがあるかもしれません。本人の思いと周囲の見方がどう違うのかを追いたい人におすすめです。

寺の縁側に座る、長い鼻の僧を描いたイラスト 芥川龍之介 鼻 芥川龍之介『鼻』のあらすじ、読みどころ、青空文庫の作品情報を紹介。長い鼻を気に病む禅智内供と、周囲の視線を描く短編をネタバレを抑えて案内します。

張りつめた場面を読みたい → 『羅生門』

『羅生門』は、ある日の夕方、下人が羅生門の下で雨がやむのを待つところから始まります。都は荒れ、下人は主人から暇を出されて、行くあてもありません。

これからどう生きていくか。下人が考えあぐねる様子と、雨の降る門の描写が重なります。追いつめられた人が何を考えるのか、張りつめた気持ちで読み進めたい人に向く1作です。

雨の羅生門を描いた芥川龍之介『羅生門』のイメージ 芥川龍之介 羅生門 芥川龍之介『羅生門』のあらすじ、読みどころ、青空文庫の作品情報を紹介。荒廃した都と行き場を失った下人を描く短編を、ネタバレを抑えて案内します。

3作続けて読むなら、この順番も一案です

順番に迷うなら、コトリでは『蜘蛛の糸』→『鼻』→『羅生門』を提案します。極楽と地獄の情景から始めて、人目を気にする内供の悩みへ、さらに行くあてのない下人の迷いへと読み進める順番です。

気になる作品が決まっているなら、その1作からどうぞ。読んだあとで別の作品を選ぶときにも、この3つの違いを手がかりにしてみてください。

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作品本文

公開テキストは青空文庫で読めます。『蜘蛛の糸』、『鼻』、『羅生門』。ここでの選び方と読む順番は、コトリの編集上の提案です。